選挙戦は事務的なことから活動的なことまで、さまざまな準備と対策が必要です。対策のひとつに、見た目を真剣に考えたことはあるでしょうか?
見た目とは言葉の通りの外見もそうですし、ポスターやリーフレットなどのツールもそうです。ポスター写真を適当に撮ることはなかったとしても、そこで使う色の効果を戦略的に考えている人はどれくらいいらっしゃるでしょう。
カラー戦略を選挙戦で取り入れられた事例をご紹介していきます。
選挙戦で大切な2つの色
選挙戦で大切な「色」は、パーソナルカラーとイメージカラーの2つがあります。
パーソナルカラーとは、似合う色のこと。ファッション好きな人の間では、どんな色が似合ってどんなコーディネートがおしゃれかを追求する人が増えています。
選挙戦でのパーソナルカラーは、おしゃれが第一目的ではありません。いかにして印象に残るか、いかにして好感度が高まる色使いができるかを追求していきます。
イメージカラーは、○○さんといえば■色というイメージを定着させるための色。ポスターを作る時には必ずメインカラーがあるはずですが、公約内容を表現する色を自分で選べる人はいらっしゃいません。
色には伝達力があり言葉以上にたくさんのメッセージを発信しています。色のメッセージ性を理解して適切な色を選べると、たくさんの言葉を並べなくても想いを伝えることができるのです。
選挙戦に向けたカラーコンサルティング
2019年4月、京都府京田辺市の市長選挙でのカラーコンサルティングの様子です。
パーソナルカラー診断、イメージカラー選定をする前に必ずしっかり時間をとってヒアリングを行います。どんな社会を理想とするか、政策内容等を熱く語っていただきます。
その際には色のカードを使って視覚化していきます。この作業で核となるキーワードを絞り込み、イメージカラーの方向性を決めていきます。
イメージカラーが絞られたら、パーソナルカラーの診断です。
ドレープといわれる色布を使って似合う色の分析を行います。鏡を見ながら一緒に印象よく見える色、顔色が悪く見える色を確認していきます。
似合う色の選定ができたら、シーン別にどの色を使うといいのかコーディネートのご提案を行います。スーツやネクタイをご用意いただくと、その場で合わせ方のアドバイスも。
イメージカラーを服装で取り入れるには、ポスター等でイメージカラーを使うには、といったアドバイスも行います。
この時はすでに選挙用の写真を撮り終えておられましたが、似合う色と違ったため、すぐにネクタイの色を修正されました。
before | after |
ご本人いわく、落ち着いた印象にするために赤茶色の暗めのネクタイを選んでいたそうです。しかし、お似合いになるのは明るく鮮やかな色だったので、暗めの色はお顔がくすんで見えていました。
上の写真では違いが分かりにくいですが、実際のお写真は顔色も見た目の爽やかさも変わって見えるほどです。
お似合いの色を着用しての街頭演説。
もともとお持ちだった鮮やかな黄色のネクタイ。パーソナルカラー診断するまでは、使うことがなかったそうです。
黄色のイメージも考慮して着用されています。
結果は見事当選。
市長となられてからも、式典や出会う人に合わせて色を選ばれているそうです。
人の感情を左右する色
どんなに志が高くてどんなに人柄がよくても、選挙で当選しないことには政治に関わることができません。有権者から選ばれるために、イメージ作りは欠かせないでしょう。
色はイメージ作りに大きく関わっていますし、人の感情に直接訴えかけます。ご自身の本来の良さをそのまま届けるためにも、カラー戦略が有効です。
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