全国で最も施設数が多い内科。(2020年時点)町医者といわれる小さな診療所から総合病院まで多種多様です。
当記事では、神経内科・呼吸器科・消化器科・胃腸科などを含む診療科目「内科」を掲げている個人医院のホームページカラーについて分析しています。
全国の内科のホームページ使用色ランキング
47都道府県の内科をランダムにピックアップし、ホームページの色を集計しました。
個人診療所・クリニックを対象とし、病床数の多い総合病院は外しています。
サイトを開いて一番目についた色(主に背景色)をホームページカラーと判断しました。
1位 緑
1位 青
3位 オレンジ
3位 ピンク
5位 ネイビー
6位 青緑
結果は断トツで緑と青。ここでいう青は青空のような水色に近い明るい色です。
オレンジを含む上位3色で7割以上を占めています。
内科に限らず、医療系のホームページでは緑・青・オレンジが本当に目立ちます。
上位色の色のイメージと配色例
なぜここまで緑・青・オレンジが多いのか、色が持つ意味から考えてみましょう。
緑は安心感と健康をイメージしやすい色。
青は清潔感と誠実さを感じます。
オレンジは元気で親しみ感をアピールできる色です。
また、緑とオレンジは男性・女性という性別を感じさせにくいので、大衆向けに適しています。
青は世界的にも人気が高い色なので、心身が弱った人が見ても不快を感じにくいと考えられます。
それぞれに合わせる色、配色はどうなるかというと、ここでも緑・青・オレンジの使用率が一番高いです。
【ベースカラー×サブカラー組み合わせ例】
緑×青
緑×オレンジ
青×オレンジ
オレンジ×緑
青とオレンジは反対色(補色)関係にあります。寒色と暖色の配色でコントラストがあり、とても見やすく、調和のある組み合わせになります。
緑とオレンジの配色は補色ほどではありませんが、色の共通性はありません。
緑は暖色でも寒色でもない中性色と呼ばれる色で、オレンジの暖色と組み合わせると見た目のメリハリが感じられます。
中心となる2色が決まっていれば、ボタンやアイコンなど小面積でカラフルな色を取り入れることも可能です。ただし、後述する「トーン」が非常に大切になってきます。
内科のホームページの色で大切なポイント
内科のホームページを分析していて、ある共通点が見つかりました。それは、トーンがクリアで明るいということです。
トーンとは、色の明るさ・鮮やかさをグループ化したものです。以下のトーン図の縦軸が明るさ、横軸が鮮やかさです。カラフルな円ひとつひとつをトーンといいます。
赤丸で記したlt(ライト)トーンとb(ブライトトーン)は、鮮やかな色に白を混ぜたトーンで、濁りがなく澄んだトーンのグループです。
lt(ライト)トーンのイメージは、澄んだ、さわやか、楽しい
b(ブライト)トーンのイメージは、明るい、健康的、陽気
サイトに訪れて気持ちが沈まないように、さわやかさと健康的なイメージが医療系のホームページには大切です。
カラフルな配色をした場合も、トーンを統一するとごちゃごちゃとした印象になりません。
上位色以外でも内科のイメージを損なわない色はある
内科のホームページは緑・青・オレンジが王道、ltトーンとbトーンがポイントになっていますが、この条件以外でも印象を損なわない色を選ぶことはできます。
たとえばトーン表の真ん中上あたりにある、ltg(ライトグレイッシュ)トーン・sf(ソフト)トーンもおすすめです。
ltg(ライトグレイッシュ)トーンは、おとなしく落ち着いたイメージで、身体への刺激を感じません。とても優しいトーンです。ベージュもltgトーンに含まれます。
sf(ソフト)トーンは、穏やかで柔らかいイメージです。そこそこはっきり色みが分かりますが、ltトーンやbトーンほどスキッと抜けた感じがありません。マイルドな印象が優しく、見る人に安心感を与えます。
まとめ
さわやかで健康的なトーンで、緑・青・オレンジ・ピンクが人気の内科のホームページ。どれも前向きで、明るい気持ちにさせてくれます。トーンに注意すれば、よほどのことがない限り不快感のある配色にはならないでしょう。
避けるべきは、痛みや恐怖心を感じる色です。真っ赤や真っ黒、刺激が強い鮮やかなトーンを避ければ、人気色以外でもその診療所(クリニック)らしいイメージのホームページを作ることが可能です。