パーソナルカラーは洋服だけに限らず、ネイルやメガネなど身に着けるすべてのものに使えます。
しかし、洋服の色と同じように似合うシーズンの色を塗っても「アレ?浮いて見える?」なんてことが起こります。
パーソナルカラーなのにネイルだと違和感を感じる。
その原因は何なのでしょうか。
「色の対比」が原因
顔の下に色がくる洋服と違って、ネイルは手の甲の延長線上に色が乗ります。
手とネイル、小さい面積で色が並んだ状態で目に入ってくるため、「色の対比」の影響を強く受けてしまうのです。
空間的あるいは時間的に隣接する2色の差が強調されて見える現象を総称して、色の対比といいます。
先に見た色や隣の色の影響を受けて、現在見ている色が、先に見た色や隣の色に対してその違いが強調されて見える現象のことです。
文部科学省後援 色彩検定® 公式テキスト3級編 より
ざっくりというなら、色の錯覚です。
色を単体で見れば何の違和感もありませんが、色と色が同時に存在すると見え方に変化が起こります。
色の対比には「色相対比」「明度対比」「彩度対比」と3つがあり、ネイルではとくに「明度対比」と「彩度対比」との関りが大きいと考えられます。
明度対比による見え方の影響
明度とは色の明るさのことをいいます。
ネイルでの明度対比は、ネイルカラーの明るさと手の明るさの差が強調されて見える現象です。
手の肌の明るさよりもネイルの方が明るいと、ネイルの明るさがより際立ち、白く浮いて見える場合があります。
同時に、手の色は本来の肌より暗く見えてしまいます。
それではせっかくネイルをしても綺麗に見えませんよね。
パーソナルカラーがスプリングやサマーで明るい色が似合う人でも、ネイルは気持ちトーンをおとした落ち着いた色の方がしっくり馴染む、そんな場合は明度の対比が影響しているでしょう。
オータムやウィンターでも明るい色だと浮いて見える場合は、同シーズンの中で暗めの色を選ぶと似合いやすくなります。
彩度対比による見え方の影響
彩度とは色の鮮やかさのことをいいます。
ネイルでの彩度対比は、ネイルカラーの鮮やかさが強調され、手がくすんで見える現象です。
日本人の肌の鮮やかさはだいたい中程度です。
とても鮮やかなネイルを合わせた場合、中程度の鮮やかさの肌は、鮮やかさを失って見えます。
それがくすんで見える原因です。
筆者のネイルを例に挙げましょう。
パーソナルカラーはサマー
洋服ではサマーの中でも鮮やかな色が似合い、サマー特有のソフトな色(濁りがある色)はあまり似合いません。
けれど、ネイルにするとこの理論は通用せず。
肌は褐色で、色黒とよばれる部類です。(画像は明るめに補正しています)
クリアで鮮やかな色のネイルをすると、ネイルがプラスチックのような安物感が出てしまいます。
もともと透明感のある肌ではないので、鮮やかな色を合わせると肌が一層くすんで見えます。
そのため、ネイルは画像の赤丸のような少しくすみがある色が馴染がいいです。
洋服では映えなくても、オータムのようなソフトで落ち着いた色もネイルならしっくり。
隣の指のグリーンベースのネイルは、ベージュピンクに比べると鮮やかですが、色を混ぜているのでやや鮮やかさが抑えられています。
この程度の鮮やかさならまだOK。
全本鮮やかな色だと浮いてしまっても、色の組み合わせやデザインでカバーできるのがネイル楽しいところですね。
「色の対比」現象が起こることを覚えておこう
色彩理論に基づいてネイルの見え方をお話してきましたが、明度対比と彩度対比は同時に起こっていることも多々あります。
ネイルデザインを考えるときに、対比を真剣に考えると難しく思うかもしれません。
ネイリストなら一度色の対比を学んでおくことをお勧めします。
ネイリストでなければ、まず
●パーソナルカラーをそのままネイルに当てはめられないこと
を押さえておいてくださいね。