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数式の美学を表す色

昨年、名古屋大学大学院多元数理科学研究科教授、吉田伸生先生とご縁をいただき、パーソナルカラー診断をさせていただきました。その際に、執筆中の書籍の表紙の色のアドバイスもさせていただきました。

吉田先生は数式に美学を持っていらっしゃいます。もともと絵を描いたり独自の美的感覚もお持ちで、ある時数式の美しさに感動したのだそうです。

「数学=理系、理論」だと思っていた私は固定観念をいい意味で覆されました。

 

数学者と聞けば何色をイメージしますか?

パーソナルカラー診断時には、必ず色彩心理の性格診断の分析も行っています。

それはなぜかというと、似合う色だけにファーカスしてしまうと、その方自身の内面を置き去りにしてしまうからです。パーソナルカラー診断は「外見」をどのように魅せるかに重点をおいたもの。パーソナリティや内面の魅力を発掘するには、性格分析を行わないとみえてきません。

 

さて、「男性の数学者」と聞いたら、何色の性格をイメージしますか?

数字の分析力、論理的思考力

私はそんなキーワードが思い浮かびました。そのため性格診断をする前は、吉田先生は青の性格が高いのかなと予測していたのです。

しかし、左脳・合理性などを表す青の性格の特典は非常に少なく、黄色、ターコイズ、黒を高くお持ちの方でした。

 

世にないものを生み出す探求心がないとできない仕事

性格診断結果を見て「意外です」とお伝えしたところ、吉田先生からものすごく納得のお答えをいただきました。

『数学者というのは、世の中にまだない定理や公式を考え出さないといけない。だから、青の性格の「今あるもの」を深掘りして形を作るだけではだめで、知的好奇心や探求心旺盛の黄色の性格がないと公式なんて生み出せない。』

色と人の性格分析が的確で「なるほど!」としか言えませんでした。学者のイメージがごろっと変わった瞬間です。

 

数式自体はもちろん理論なのですが、数学者は決まりきったものを解くのではなく、新しい数式を生み出す創造性が必要だとのこと。

理論=青

の世界ではなかったのです。

「創造性、新規性」を表すのがターコイズや黄色。

吉田先生はそのどちらの色も兼ね備えている方でした。

 

数学に遊び心

見た目はいたってスマートな方なので、内にそんな創造性豊かなキャラクターを秘めていらっしゃるとは想像もできませんでした。

けれどよくよくお話を聞いていると、黄色の知的好奇心以外にも、黄色らしさを要所要所でしっかり表現されていたのです。

 

先生が書かれた数学書にも遊び心が隠れています。

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こんな数式の中に顔文字が!

セリフは「部長が何だっつーの.コノヤロ.」

この顔文字さんのセリフにはストーリーがあって。

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「ランダムウォーク:酩酊したお父さんの行方は?」

酩酊したお父さんのセリフなんです。

ランダムウォークを数式で表してみようという考え自体も、黄色の人のユーモアあふれる切り口ですね。

 

数式の美学を表現する数学書の装丁

性格にターコイズの特性をお持ちで、お好きな色も似合う色もターコイズだった吉田先生。

ターコイズは「洗練」を極めたい性格で、ご自身の著書にもそれを反映されているということでした。表紙デザインもこだわってデザイナーさんに依頼しているとのこと。

パーソナルカラー診断時に執筆中の本の色をご相談いただき、「世の中にある数学書とは少し違うテイストでいくなら、今回の表紙はターコイズがピッタリですね!」と迷うことなく色が決まりました。

出来上がったのがこちらです。

吉田 伸生著『関数解析の基礎』裳華房

 

数学書とは思えない洗練されたデザインです。表紙を見ただけでも数学マニアの方のクリエイティブを刺激する一冊になりそうです。

実際、購入した方々のSNS投稿を拝見していると、初学者にも理解しやすく、かつ専門家も目を見張る水準だとか。そして美しい定式化と証明がなされているとのこと。数式の美学が込められた1冊のようです。

 

吉田先生、この度はパーソナルカラー診断のご縁から未知の分野の魅力をお教えいただきありがとうございました。

 

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